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ばんえい競馬廃止に物申す

 岩見沢と帯広両市長が今日27日、ばんえい競馬存続断念を表明。今年度限りでの廃止が事実上決まった。

「ばんえい競馬、今年度限りで廃止」(日刊スポーツ)
「ばんえい競馬廃止 決定的に」(スポニチ)
「岩見沢がばんえい競馬撤退、廃止決定的に」(netkeiba.com)
「ばんえい競馬:北見最終日 ファン別れを惜しむ」(毎日新聞)

 ばんえい競馬は世界で唯一の競馬である。いわば文化でもある。それをこうも簡単になくしてしまって良いのか。

 近年続いた地方競馬の廃止の場合もそうだが、本当に十分な議論がなされたと言えるのか。

  • 経営の専門家を交えて赤字脱却の方法を議論し尽くしたか。
  • 道など他の自治体に受け入れてくれるところはないか探そうとはしなかったのか。
  • 民間への譲渡が可能になるまで、民営化が合法になるよう法整備を促すことはできなかったのか。

 これ以外にも様々に論じるべき事柄はあったはずであるが、とてもそれらが議論されたようには思われない。性急に事が進められたように思われる。形式上行なわれた議論も「廃止」ありきだったではないのか。現場のことを何も知らない有識者による有識者会議は、先日掲載された某スポーツ紙上での矢野吉彦アナの言葉を借りれば、「やらせ」質問のタウンミーティングと同じである。

 岩見沢市長は、「市民に負担を強いることはできない」と市民への配慮を口にしたが、ばんえい競馬廃止に伴い、調教師・騎手・厩務員をはじめとする関係者や生産者が職を失うことへの配慮はできなかったのか。

 平地競馬の廃止は別の地域の競馬が受け入れ先になってくれる可能性があるが、ばんえい競馬は世界にたった一つの競馬である。それが廃止になってしまったら、調教師や騎手たちの行く先は世界のどこにもない。そんな彼らの生活を奪う正義は誰にあるのか。北見・旭川・岩見沢の市長か? その市民か? 有識者会議のメンバーか?

 自らが作り上げた文化を自らの手で壊すことの重大さを今一度考え直して欲しい。

 また、競馬全般を管轄する農林水産省も、柔軟な姿勢をとってもらいたい。JRAの国庫納付金は年間約3000億円ほどになる。このうち1%を充当するだけで、ばんえい競馬の累積赤字を解消できるのである。国庫納付金の多くが農林水産省官僚の天下り先維持費に消えていることは知られた事実である。今こそ正しいお金の使い方をすべき時である。


 帯広市はスポンサーがつけば1市だけでも開催すると噂で聞いた(真偽は分からないが…)。もしそうなら、安定継続的に開催ができるだけの巨大企業がスポンサーになってはもらえないものか。
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