まだ10年ほど前、僕が学生の頃、何も考えずにスポーツ新聞の映画欄を見ていたら、『腰は「の」の字で喪服妻奥義』という奇妙奇天烈なタイトルが僕の眼に飛び込んできた。このタイトルの何が気になるって、それは言うまでもなく『腰は「の」の字』の部分に決まっている。そもそも腰が「の」の字になるというのは、どのような状態を指すのだろうか。

　まずは横から見てみよう。敢えてやるとすれば地面に頭をつけてでんぐり返しに入る直前のような姿勢になり、頭で身体を支えて両手を腹のあたりに伸ばす。では縦から見た場合はどうか。腰を縦から見て「の」の字にすることは物理的に不可能なので、動きで考えるしかない。恐らくは延々と無表情で腰を「の」の字の形に動かすだけである。縦横どちらも奥義と言えなくもないが、喪服を着た妻がやったところで喜ぶ人はいないだろう。

　そして僕たちが最も注意すべきは、これがポルノである、もしくはセックスが絡むとは一言も書いていないことだ。タイトルのイメージに流されてはいけない。つまりこの映画は、喪服を着たどこぞの妻（もちろん制作者は未亡人かどうかなど考えてもいない）が、淡々と無茶な姿勢に挑んだり、きれいな「の」の字を書くために真摯に腰を回す姿を2時間近く映したものであるという解釈ができるわけだ。好きな人はたまらないのだろうが、普通の人は5分と持たずに精神に異常を来たすことだろう。

　さて、皐月賞。本命はスマイルジャック。太に2週連続2つ目の、そして牡馬のG�Tを勝たせてやりたい。最も、この人が本来の実力を発揮すれば、このメンバーならどうにでもなる。正直言ってあとはどうでも…いや、しっかり予想しよう。対抗はフサイチアソート。重馬場適性と岩戸厩舎の騎手時代からは考えられない充実ぶりを買う。要注意はレインボーペガサス。日本で数少ない川原級の腕を持つ安藤勝己は、どんな時にでも注意が必要。押さえは岩田で一変の可能性があるサブジェクトと、同厩舎の2頭出しは人気がない馬を買えという鉄則に従ってベンチャーナイン、勝てないけど2着ならありそうなタケミカヅチまで。

　先日、携帯電話の電池パック交換のために携帯ショップに行った。そこには最新機種がズラリ。何年も前から携帯電話の進化は目覚しいものがあるが、最近は薄さを追及する傾向があるようで。すでに１ｃｍを切っているものもあるとか。

　そこでふと思った。薄さを追求する商品と言えば、最近ではノートパソコンやテレビがそうだが、古くからはアレがあるじゃないか。

　そう、生理用ナプキンである。

　ノートパソコンやテレビと違って、携帯電話はそれと大きさ的に近いものがある。そして携帯電話は電話の機能だけあればいいものを、メールにカメラやテレビ、カード決済など様々な機能を融合してきた経緯がある。

　ということは、そのうち携帯電話は生理用ナプキン機能も融合しようという流れに違いない！

　携帯電話なんだけど横漏れ防止機能とか、多い日も安心機能なんてのが付くわけだ。どこからか着信音が聞こえたと思ったら隣の女性がおもむろに股から電話を取り出し「もしもし？」という光景があちこちで見られることになる。技術の進歩もほどほどにしていただきたい。

　ちなみに余計なお世話かも知れないが、この電話、バイブレーション機能だけはご法度だ。

　さて、的中見込みの薄さなら引けはとらない私の馬券予想。本命はスマイルジャック。きさらぎ賞の段階で決めていた。怖いのはショウナンアルバ。あとは適当に。