さて、今回は競馬の話。引退した騎手の話をしよう。

　皆さんは、渡辺壮という騎手を知っているだろうか。地方の金沢に所属した騎手で、つい先日引退を表明した。で、通算成績が凄い。7,701戦2,086勝で勝率27.1％、連対率43.6%。先週時点での武豊の今年の連対率が37.9%であることを考えても、この記録の凄さがわかるであろう。文句無しの一流騎手である。昨年秋に調教中に脳梗塞を発症し、左半身が不随になってしまったとのこと。以降リハビリをしていたが、結局引退ということになった。

　では、清水英次はどうだろう。古いところでは昭和46年に牝馬のトウメイで天皇賞、有馬記念を勝ち、近いところ（といっても結構昔になっちゃったけど）では3歳（現2歳）時のナリタブライアンに騎乗している。その後、落馬事故で首に障害を負い、リハビリを続けていたが、昨年亡くなってしまった。亡くなる前に「誰にも伝えずにおいてほしい」と言い残していたとのことで、公表もされなかった。清水英次は、5,569戦550勝、連対率20.1%と、飛び抜けて一流、というわではなかったが、いわゆる職人的な活躍をしていたのを覚えている。平成5年にナリタタイシンが清水から武豊に乗り替わったときはマジで切れたもんなぁ。

　地方には、中央のように表舞台に出て来なくても、天才級の騎手はいるし、中央地方を問わず、渋い仕事をする職人もいる。知らないとしたら、僕たちのチェックが甘いだけなのだ。せっかくだからこういう騎手もいたことを覚えておこう。

　さて、例年になく難しいスプリンターズＳの予想をしますか。メディアによって推す馬がまるで違っている上に、海外馬については情報量もまちまちで、メディアも困っている様子が伝わってくる。

　で、本命はテイクオーバーターゲット。やはり日本で一叩きしていることは大きいだろう。買い値が11万円で、調教師はこの馬に出会うまで調教師と兼業でパン屋とタクシー運転手をしていたというのもなかなか面白い。儲けさせてあげようじゃないの。対抗はサイレントウィットネス。春先は不調だったらしいが、大分調子が戻ってきたとのこと。去年ほどの力は出せないかもしれないが、底力ならこの馬。要注意はベンバウン。鞍上は誰あろうあのダラ・オドノヒュー。さらに日本では絶対に見られない1000ｍ28頭立てのレース（見たい！）でテイクの２着。日本慣れした鞍上の逆襲に注意だ。押さえはやっぱりタダでは帰りたくないであろうレザークと、そろそろＧ�Tを勝ちたい小牧太のゴールデンキャストと、展開次第のタマモホットプレイまで。

　飲酒運転がニュースになる今日この頃。まさに「報道されたきゃ酒飲んで車乗れ」である。

　ところで、馬は道交法では「軽車両」である。では「軽車両」である馬自身が酒を飲んだら“飲酒運転”なのか？　いやいや、運転手が飲んでこそ“飲酒運転”であって、こういう場合は“整備不良”だ。

　結局のところ、何が言いたいかというと、競馬も運転もノミ行為は禁じられている、ということである。（意味わからん）

　さて…、高市早苗が入閣して日本の将来が心配になったところでスプリンターズＳの予想と行こう。本命は前走で日本の馬場に適合することを示したテイクオーバーターゲット。調教師が元タクシードライバーという異色な経歴も魅力だが、それ以上の魅力は中山1200ｍでも通用しそうな見事な先行力。期待していいはず。

　対抗はベンバウン。馬はさっぱり知らんが、ヤネのオドノヒューに期待したい。2000年の安田記念をディクタットで２着したあの騎乗が忘れられない。そしてその安田記念を勝ったのが香港馬だったことを思い出すと、サイレントウィットネスもアリかな、ということでサイレントウィットネスを単穴に。